水分が消化に果たす役割とは?

消化器官を健康に保つためには、一日を通して十分な水分補給をすることが大切です。消化プロセスのすべてに水分が関わっています。

消化の始まり、唾液のほとんどが水分です。
唾液は食べたものを湿らせ、噛みやすくして飲み込みやすくします。噛む度に唾液内の酵素が脂肪や炭水化物を分解します。

食べ物が胃に入ると、胃液が分泌されます。食事をしながら水を飲むと胃液が流れてしまい、食べ物を分解できなくなるというのは誤りです。適度な水を飲むことで消化の助けになり、胃の内側を覆っている粘液を強酸性である胃液から守ります。胃液にも酵素が含まれていて、たんぱく質と炭水化物を小さく分解し、消化活動が最も活発に行われる小腸へ送る準備をします。

食べ物が小腸へ移動すると消化活動が活発に行われますが、消化を促進するのも水です。
小腸では水分を多く含む消化酵素が分泌され、脾臓や肝臓からも分泌されます。酵素が消化を促進させ、たんぱく質をアミノ酸へ、脂質を脂肪酸へ、炭水化物を糖分子へと分解します。大半の消化吸収は小腸で行われ、栄養素は血流へ流れていきます。

最後に大腸に進みますが、ここでも水分がとても重要な役割を果たします。
食べ物に含まれていた可溶性食物繊維(オーツ麦、豆、大麦)は水に溶け膨張し、不溶性繊維(全粒粉、大半の野菜)は水を引き寄せて閉じ込め、毎日のお通じを快調にしてくれます。大腸にはたくさんの腸内細菌が棲んでいて、流れてきた未消化のカスを分解し様々な物質を代謝しますが、水分を保持した環境がその吸収をサポートします。

最もシンプルで基本的なこと
一日を通して十分に水分を補給することで、身体をスムーズに動かすことができるのです。

By スーザン・ボワーマン
栄養トレーニングディレクター
管理栄養士・スポーツ栄養学の専門家